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「あの日にドライブ」(荻原浩著)

  どーもです。aries

「あの日にドライブ」(荻原浩著)

  ~あらすじ~

  元エリート銀行員(なぎさ銀行・日本橋支店)だった牧村伸郎は、上司への

一言を言い返したために、仕事を干され、ここに居場所はないと決め、

依願退職をしてしまう。

  そして、公認会計士になるまで、当座の生活稼ぎのつもりで

「月収45万円可」の新聞広告に目を惹かれ、タクシー運転手となる。

5日のうち2日勤務なのだが、24時間勤務。夕方出勤の翌朝8時上がり。

乗車業務に疲れて帰ってくる毎日で、さっぱり勉強も捗らず。

営業ノルマはきつく、いつも、営業部長にイヤミを言われる始末。

挙句の果てには、銀行を辞め、給料が減ったということで、

妻の律子や子供の恵太、朋美ともうまくいかない。

  中途半端な状態で、過ごす中、うまい話の転職話を思いめぐらしたり、

自分の人生の数々の分岐点に戻り、“あの時、こうすれば、どんな人生を

歩んでいたのか”という妄想に耽るようになる。

  大学時代に付き合っていた元カノの恵美が離婚し、実家に帰っている

ことを思い出し、勤務中に桜上水に行き、彼女の様子を窺う。

  それをきっかけとして、少しずつ、運が巡ってきたようで、営業ノルマを

達成できるようになる。牧村は思う・・・人生は運であると。

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  現実の自分を受け入れらずにいて、タクシー運転手はあくまで、仮の姿で

あり、本当はエリートなのだと。しかし、現状は変えられるべくもなく、いつも

妄想に逃げてしまう牧村。牧村が43歳で私と同い年ということもあるし、

最初に入社した会社が1部上場会社であり、似たような境遇。ただし、私には

家族はいないが・・・。

  人間はつくづく、“過去と妄想”に生きる動物なのだと思う。

  やり直しは効かないのは百も承知。しかし、過去に遡り、妄想に耽る。

  あの時、こうしておけばよかった・・・。

  何度、思えばいいのだろう。現実を嘆いても、目を背けても、何も変わらない。

今現在を大事に生きなさいという著者のメッセージである。

  オチになるが、牧村を退職に至らせた元上司・徳田をタクシーに乗せ、

酔っぱらっていることに付け込み、ささやかな復讐を遂げる。

  こうして、牧村の未来は一歩前に出た。

  次の角を曲がったら、何があるだろう。

  さぁ、右へ大きなカーブ。

  道の先は、見渡すかぎりの黄金色。

  菜の花畑だ。

  人生捨てたものではない。著者は妄想を否定するわけではないが、

少しずつ、少しずつ、菜の花畑がある場所へ連れてってくれそうな最後。

菜の花畑はみんなある。気付かないだけで、自分の中に、今、ここに。

だから、もっと、今を大事に生きよう。

あの日にドライブ (光文社文庫) Book あの日にドライブ (光文社文庫)

著者:荻原 浩
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